剣をもつ監視者の儀式

１　儀式の準備
　　・・・略・・・

２　開　式

　儀式開始前に祭壇周辺（壇上）の追儺を終えておく。

　アデプトは、祭壇の西に行き東に面して立ち神殿の鈴を鳴らす。

　新たにカバラ十字を切る。

「アテー
　マルクト
　ヴェ・ゲブラー
　ヴェ・ゲドゥラー
　シャヴァツェレス　ハ・シャロン
　ショシャンナス　ハ・アマキム
　アメン」

　祭壇の上には、剣、白のろうそく、黒のろうそく、イェソド系列の香を焚いた香炉がふたつ、木炭を置いた皿が並べてある。

　西から柱の奥を臨み、霊視のなかでイェソドの神殿に入る。
　神殿の祭壇の前で、銀の鉱脈が走る紫大理石の柱と黄金の鉱脈が走る黄大理石の柱を仰ぐ。

「シャダイ・エル・カイ」
　東から輝く光の筋が帳を貫いてあらわれる。

「ガブリエル」

　ハイエロファントの場にガブリエルが出現する。その姿に、ＬＶＸサインを送る。

「メタトロン」少し間を置いて、「サンダルフォン」

　それぞれの柱からケルビムが現れる。
　メソポタミア風のローブに角のついた頭巾を被り、メタトロンは紫のオーラをまとい黄色のローブを、サンダルフォンは黄色のオーラをまとい紫のローブを身につけている。

　ガブリエルに対面し、
「シャダイ・エル・カイの御名において、おお、ガブリエルよ。
　汝が助けをうけ、汝の無敵のケルビム、メタトロンとサンダルフォンの助けにより、
　われは黄金の夜明けの末裔として、ショメレ・ハ・チェレヴを探したり。」

　ガブリエルは、心臓の中枢部から白輝光の球を放ち、燃える剣のサインを作る。
　その光球は、ふたつに分割された。

　メタトロンは、ティファレト中枢から黄色の光線を放ち、それがひとつの光球を包み込む。
　サンダルフォンは、ティファレト中枢から紫色の光線を放ち、それがもうひとつの光球を包み込む。

　メタトロンは、イェソド中枢から白輝光の束を放ち、黄色の光で包まれた光球を覆う。
　サンダルフォンは、イェソド中枢から黒く輝く光の束を放ち、紫色の光で包まれた光球を覆う。

メタトロンが、自分の前の光球に言う。
「われ、汝をコラキエルと命名する。」
サンダルフォンが、自分の前の光球に言う。
「われ、汝をナラキエルと命名する。」

　それぞれの光球は、イェツィラーを抜け地上の神殿に向かい東からヤキンとボアズの柱の間を抜けて、コラキエルは祭壇の白いろうそくの炎のなかに、ナラキエルは、黒いろうそくの炎のなかに入る。

　ガブリエルにＬＶＸのサインを送る。
　メタトロンとサンダルフォンにセオリカスのサインを送る。
　アデプトは、物質の神殿に戻る。

　アデプトは、祭壇の西に廻り、中央の柱の振動術式で、東に向かって振動させる。
「ＳｈＤＩ　ＡＬ　ＣｈＩ」

　祭壇から木炭を取り上げ、両手でもちあげて、振動させる。
「ＧＢＲＩＡＬ」

　木炭を二つに折る。ヴェールを開くサイン。
「ＭＴＴＲＶＮ　ＳＮＤＬＰＶＮ」

　右手の指をコラキエルのテレスマ像に擬し、アデプトとコラキエルの間にエーテル的連鎖を形成し、それを祭壇の右の香炉の上に置いて、香炉の煙に結び合わせ、振動させる。
　・・・もしくは・・・
　半分の木炭を白いろうそくの上にかざし、振動させる。
「ＣｈＶＲＱＩＡＬ」

　左手の指をナラキエルのテレスマ像に擬し、アデプトとナラキエルの間にエーテル的連鎖を形成し、それを祭壇の左の香炉の上に置いて、香炉の煙に結び合わせ、振動させる。
　・・・もしくは・・・
　半分の木炭を黒いろうそくの上にかざし、振動させる。
「ＮＲＫＩＡＬ」

　セオリカスのサインを切り、言う。

「Gohusa: A Dooain Iada Balata,
　esobera zodol Arore i ta Nazoda-pesada,
　od Giraae ta Malapiraga,
　Niisa! Zodacare! Vanigilagi!
　Zodarege, od beranusagi pire Siaion. 」

（われ言う：審判の神の御名において、その御手に、太陽が剣に、月は切り裂く炎になり、
　来たれ！　動け！　下りよ！　われらに親しく交わり、聖なる神殿を守護せよ。）

　二つの香炉を神殿のプロナオスに捧げ持ち、ケルビムのテレスマ的像の前に置く。
　剣をとり、ケルビムのテレスマ的像の前に立ち、セオリカスのサインを行い、言う。
「われ、汝を召喚す。汝、祝福されしケルビム、不可視の天球に住まう天使よ。
　汝は宇宙の門の守護者なり、さらに我らの神殿の守護者なり。邪悪なるものを遙かに遠ざけよ。
　参入者を強め、霊感を注げ、しかして永遠の神のいますこの場所を無垢なままとせよ。
　われらが聖なる光の秘密に加わり、分かちあえるように。」

　ヤキン・ケルブの廻りを周回し、イェソドの召喚のヘキサグラムを描く。
「ＳｈＤＩ　ＡＬ　ＣｈＩ，　ＡＲＡＲＩＴＡ，　ＡＬＰ」

ヘキサグラムのなかに十字を描く。
「ＧＢＲＩＡＬ　ＫＲＢＩＡＬ」

　ヘキサグラムのなかに火の三角形を描く。
「ＭＴＴＲＶＮ」

　ヘキサグラムのなかに硫黄（錬金術の太陽のシギル、コラキエルのカミアのシギル）を描く。
「ＣｈＶＲＱＩＡＬ」

　ケルブのオーラが変化して、人型になるのを見る。
ヤキンの香炉に香をくべる。
　コラキエルにセオリカスのサインを行う。

　ボアズ・ケルブの廻りを周回し、イェソドの召喚のヘキサグラムを描く。
「ＳｈＤＩ　ＡＬ　ＣｈＩ，　ＡＲＡＲＩＴＡ，　ＡＬＰ」

ヘキサグラムのなかに十字を描く。
「ＧＢＲＩＡＬ　ＫＲＢＩＡＬ」

　ヘキサグラムのなかに水の三角形を描く。
「ＳＮＤＡＬＰＶＮ」

　ヘキサグラムのなかに水銀（錬金術の月のシギル、ナラキエルのカミアのシギル）を描く。
「ＮＲＫＩＡＬ」

　ケルブのオーラが変化して、人型になるのを見る。
ボアズの香炉に香をくべる。
　ナラキエルにセオリカスのサインを行う。

　２本の柱の正面に立ち、沈黙のうちに燃える剣のサインを描く。

　台上（本来は扉の位置）の西側に行き、西を向いて言う。
「ヘカス・ヘカス・エステ・ベベロイ
　悪しきものよ、疾く、疾く、この場より立ち去れ。」

　柱の間に立ち、西を向き、セオリカスのサインを行い言う。
「ショメレ　ハ・チェレヴは、メタトロンとサンダルフォンの御名により、この場に立ちたり。」

　祭壇の北側から回り込み剣を祭壇に戻す。

　西に行き西に面し、セオリカスのサインを行い言う。
「コラキエルとナラキエルは、メタトロンとサンダルフォンの御名により、この神殿を守護せり。」

　柱の向こう側（ハイエロファントの台座）に立ち、セオリカスのサインを行い言う。

「ショメレ　ハ・チェレヴ、剣もつ監視者は、ガブリエル・ケルビエルの御名により、

　秘儀の神殿の門の境界に立てり。

　うち立てられし、真実の基盤により、コラキエルとナラキエルは、

　この祝祭の始まりから終わりまでの間、ケルブの監視哨に入りたり。」

　祭壇に戻り、剣の柄でノックを行う。　３−３−３

　東に向かい言う。

「わが手によってではなく。汝の御名により、栄光あれ。

　われらを汝の秘儀の聖域の奥深く誘いし主よ。」

　カバラ十字を切る。

「アテー
　マルクト
　ヴェ・ゲブラー
　ヴェ・ゲドゥラー
　シャヴァツェレス　ハ・シャロン
　ショシャンナス　ハ・アマキム
　アメン」